人は目で食事する。盛り付けで料理が美味しくなる2つのコツ

「料理って楽しい」

最近コレを改めて感じることが出来ている。

と言うのも、ブログやSNSで自分のレシピや考え方を発信し始めて色々な方からの反応が受け取れるようになったから。

「あのレシピやってみました」「ブログで書いていたお店に行ってみました」などの言葉をいただけるようになったから。

ホントありがとうございます。

日々の仕事でも、普段だったら普通にやっている仕事も「ん?コレは普通の人は知っているのか?」「コレはブログで発信したほうが良いのかも」などと思うように。

インプットする事は多いがアウトプットする事が少ない業界なので良い刺激になっております。

今回も普段の盛り付けの最中に「ん?」と思った事からのブログ。

「盛り付けがわからない」「難しい」という声をよく聞くが、2つの事を意識して盛り付ければ大体綺麗になります。

「器の色・形」「五色」この2つである。

盛り付け

盛り付けをするときの手順は

  1. 献立を決める
  2. 食材を選び調理する
  3. 器を選ぶ
  4. 盛り付けをする

の流れが一般的。

展示会などの場合は、初めに器を選んで献立を決める という流れもありますが、それは例外として。

大体の場合は料理を作ってから器は選びますよね。家庭なら尚更そうであるはず。

先日、先付の盛り付けをし始めようと思ったが、器を見て「こりゃダメだな」となり器を変更しました。

まぁ板前さんなら確実に変更するような当たり前の事だったのですが、ふと「コレは普通の人は分かるのか?」と思い、twitterFacebookで質問してみました。

先付の内容は

  • うぐいす豆腐
  • 子持ち昆布
  • 蒟蒻有馬煮
  • ローストポーク
  • 黒豆松葉刺し
  • 睦月落雁
  • 梅人参・梅長芋・羽子板人参

最初用意していた器がこちら

結局盛り付けた器がこちら

どうです?分かりますか?

SNSでの質問には

  • 色合いが同化する
  • インスタ映えする
  • 女子目線
  • 春への想いを込めて
  • 平らな器の方が良い
  • 深さがある器だと沈んで見える
  • 華やかさに欠ける
  • 横ラインの方が良い
  • 器の余白が少なくなる
  • 分からん

などなど沢山のご回答をいただきました。

正直、みんな正解です。「緑の器の方が良かった」という意見があったらそれは不正解ですが、みんなピンクの方が良いという意見でまとまっていたので正解です。

ご回答いただいた皆様、本当にありがとうございます。

ただベストアンサーを選ぶのであれば「料理が主役になる器選び」という回答。

回答してくれたのは自身で料理教室を開いている優子さん。はい、プロでした。さすがです。

「この先付の主役は何か?」・・それは勿論うぐいす豆腐である。うぐいす豆腐をいかに引き立てる盛り付けにできるか、という部分を一番に考えなければならない。

器の色が緑だと同化して目立たなくなってしまうので緑の器はNG!となる訳です。

器の色・形

器を選ぶ際は先ほど述べた通り、主役の食材の色との兼ね合いの他に「季節感」も大事。

色は季節感も演出します。

正直言うと、ピンクの器は「桜」を連想させるので春に向いている器です。本当ならば青磁の器の方が今の季節にはあっているのですが。(枚数が足りなかったのです)

こちらが青磁の器。年中使える便利な器です。

形は盛り付けした時に窮屈になりすぎない大きさのものが良い。今回の場合は、うぐいす豆腐の他にも点数が多かったので大きめの器がベター。深さを気にされている方が多かったですが、緑の方の器でも深さの違和感はないかと思います。メインの豆腐がチーズ豆腐とかの白で、食材があまり多くなければ問題はないですね。

料理の五色

和食料理の五色は『しょう、おう、しゃく、びゃく、こく』

青(緑)・黄・赤・白・黒(茶)の五色が基本の五色。

これさえ押さえておくと綺麗な盛り付けになります。

今回の先付で見てみると

  • 青は「うぐいす豆腐」と「松葉」
  • 黄色は「羽子板の黄色人参」と「子持ち昆布」
  • 赤は「梅人参」
  • 白は「梅長芋」と「睦月落雁」
  • 黒は「コンニャク有馬煮」と「黒豆」

とやはりしっかり五色が入っています。

この五色が入っていて美しい盛り付けができないのであれば・・センスを疑った方が良いかも・・。

例えばこの先付から「赤」を抜くと

こんな感じに

比べて如何ですか?五色って大事じゃないですか?

とにかく五色を意識してみてください。無い色があるならば入れれば良いのです。

レモンだってパセリだって何だって良いので。

人は「美しい」と感じたものを「美味しい」と感じるのです。

盛り付けで味は確実に変わります。確実に。見た目はとても大事なのです。暗い部屋の中で食事をしても美味しく感じないのです。

ご家庭でも、ほんの少し盛り付けを意識してみては?