季節を大切にする日本料理 ウズラの卵を柿に見立てた”柿うずら”

季節を食す

和食で一番好きなところは”季節を大切にする”という事。

イタリアンや中華などでも「秋だからこの食材を使おう」という事はあるのでしょうが、それは”旬”だから。

対して日本料理は、”季節を食べさせる”。

要するに、会席料理であれば「旬を入れ込む」ではなく「季節を散りばめる」のです。

テーマが「秋」で。

食材だけではなく、器やあしらい、敷紙や会席の流れなどにまで、季節を散りばめます。

四季が無ければ和食は存在し得ません。これは確実に。

だから今月の”霜月の献立”にも、沢山の秋が散りばめられています。

旬の柿 今月は”柿なます”に

「食欲の秋」とはよく言ったもので、食材が多い季節で助かります。

秋刀魚・里芋・蓮根・柿・白魚・・・などなど、腕の見せどころです。

この時期外せない食材は「柿」

先月は柿の白和えにしましたが、理由はまだ甘みが足りなかったから。

柿のシャキシャキ感と、白和えの甘さをプラスしてみました。

しかし11月になり、柿が熟れてきて甘みが増してきたので、今月は「柿なます」に。

柿と人参を甘酢で漬け込んで、サッパリと食べてもらいます。


柿うずら

更に、今月の献立には”柿うずら”というものも入っています。

同業者から見れば、「柿使いすぎだろ」「やりすぎやろ」って言われるかもしれませんが、ほっときます。笑

実は”柿うずら”と言っても、果物の柿を使う訳ではなく「柿に見立てる」のです。

「ウズラ」「昆布」「蕎麦」を使って。

誰も作らないとは思いますが、レシピ載せておきます。

【柿うずら 作り方】

うずらの卵は、酒・薄口・味醂に朱色の食紅を使って煮切り、色を付けます。
昆布は細かくしてから、溜まり醤油・砂糖で炊いて、ゼラチンで固め、柿のヘタに見立てます。
蕎麦は乾麺の蕎麦をオーブンにて焼き、適当な長さにします。
色を付けたウズラの卵に、昆布ゼリーを乗せ、焼いた蕎麦で刺す。


そうすると、柿のように見える「柿うずら」の完成です。

全て食べられる柿うずら。細かな仕事が和食らしいです。

季節を全て味わってみてください。

秋の味覚とワイン

平成最後の秋。

季節の和食とワインを味わいませんか?

1129日に、はなぶさ旅館でワイン会を開催します!

テーマは「和食とワインと」

当館の料理人が腕を振るった季節を散りばめた和食に、ソムリエの師匠とソムリエの僕がワインをセレクトします!

詳細は以下のブログをご覧ください!

今年の秋のワイン会は、はなぶさ旅館主催でやる事にしました。 いつもとは違う会席料理というスタイルで。はなぶさ旅館調理場の本気、是非お楽しみください。 11月29日(木)の18時半からです!

って事で、最後は華麗なるステマでしたー!