はなぶさ旅館三代目が限定販売した”ペペロンおにぎりの素”。旅館経営者目線のブログをご紹介

伊豆長岡温泉・はなぶさ旅館の三代目 はなが、勝手に限定販売した「ペペロンおにぎりの素」。

購入者が、各自の目線でブログを書いてくださったので、そちらをご紹介。

僕は、ただ商品を売りたいだけではなく、商品から”料理を好きになってもらいたい”

ペペロンおにぎりって何?

ペペロンおにぎりとは、前菜の献立に入れていた”ペペロン蛍烏賊”を仕込んでいた時に思いついた料理です。

今月の献立に入れている「ペペロン蛍烏賊」 その作り方をご紹介。 そこから派生した「ペペロンおにぎり」もご紹介してます。 オリーブオイル×ニンニクって何でも美味しくなりますよね。ハズレないですよね。

作り方や仕込みの様子を、SNSに投稿するや否や大反響があったペペロンおにぎり。

レシピのブログを丁寧に書いたのに、「販売してくれ」との声をいただきました。

ですので、限定50セット販売したところ、たった半日で57セットのご注文が入ったバケモノ商品。

何故そんなに売れたのか?

は、僕目線でブログにまとめましたので、ご覧ください。

先日、SNSとブログで、はなぶさ旅館・はなのオリジナル商品「ぺペロンおにぎりの素」を販売したところ、半日で完売してしまいました。 伊豆長岡から全国へ、食を通じて笑顔の輪を広げたい。

今回は、そんな”ペペロンおにぎりの素”を購入してくれた方が、それぞれの目線でブログを書いてくれたのでご紹介します。

ブログって、書くのに相当な労力を要します。僕も書いているので分かります。

それなのに、わざわざ僕が販売してくれた商品についてのブログを書いてくれるなんて。感激です。

米沢 小野川温泉 登府屋旅館 遠藤直人さんのブログ

ブログリンク→宿の得意技を足し算。はなぶさ旅館「ペペロンおにぎりの素」

同じ、旅館業を営む遠藤さんのブログ。

旅館経営者目線の考え方が、とても勉強になりました。

分かりやすく、素晴らしい文章です。嫉妬するぐらいに。

作り方が適当でいい
料理人が企画しているからなんでしょう。
作り方が、塩梅すぎる。。。笑
(中略)
ベースがしっかりできているからですよね。
私が適当に作っても大丈夫でした。
そして、私に、適当に作る勇気を与えてくれました。

正直、こういう意見が出る事が想像できていませんでした。

料理やっている人からすると、レシピ本とかの分量って邪魔くさいんですよね。

入っているモノと、料理の流れさえ分かれば、食材や調味料の分量ってそこまで気にしないんですよ。

例えば、麻婆豆腐を作るとして、

  • 豆板醤 大さじ1杯
  • 甜麺醤 大さじ1杯
  • ニンニク 1片
  • 生姜 1片
  • 醤油 大さじ3
  • 砂糖・・・

っといった感じに、各調味料◯◯gとか大さじ◯杯とかって書いてありますよね?

僕の場合は、この”◯◯g”は完全に無視。調味料の種類しか見ないです。

あとは、大体の流れをレシピで確認して作る。

理由は?

面倒くさいから、です。

料理って、その素材によっても違いが出てきますし、調味料のモノによっても違いが出てきます。一概に、これを◯◯g入れると完璧です!って事はあり得ないんです。

だから、僕ら職人は、味見をしながら完璧に近づけます。

完璧な”割仕事”(例えば胡麻豆腐など)であれば、調味料をしっかり計りますが、基本的な味付けは”自分の舌”が基準です。

ですので、遠藤さんの「適当が苦手」という意見が、予測できませんでした。

今後は、そういう意見も出る事を踏まえて、作り方ガイドを用意しようと思いました。

組み合わせ無限

「おにぎりの素」という名前なのに、パンに乗せれて、パスタに乗せても、うどんでも、冷奴でも、じゃがいもでも何でも合うという。
これまた料理人が考えているからなんでしょう。
別解が豊富。
組み合わせたくなる好奇心を刺激してくれます。

ペペロンおにぎりの素は、意識して組み合わせしやすいように作りました。

かなりニュートラルな味付け。ですので、何を入れても大体合う。

僕は、ただ商品を売りたいだけではなく、商品から”料理を好きになってもらいたい”という思いがあります。

ペペロンおにぎりの素だって、簡単に作れますし、ペペロンおにぎりの素を使ってのアレンジも、自由自在にできます。

自分なりの「美味しい」を見つける事は、本当に楽しい作業です。この楽しさを覚えると、料理が好きになる。

ペペロンおにぎりに、「ゴマを入れる」「海苔を入れてみる」。そんな簡単なことから、”美味しい”を発見してみてはいかがでしょう?

旅館に求められる足し算の好例

旅館は、どうしても厨房で作ったお料理を旅館の中で提供しようとすることしか考えません。
「厨房で作って通販する」というと、そんなに大量生産できるか?どうやって売り切るか?と考えてしまいますが、まずは50セットでいい。
SNSがあればこそできる革命的な売り方。
徐々に認知を高め、徐々に増やしていく。
宿の得意技を足し算して新たなジャンルを切り開く。

最後に書かれたこの総括は、遠藤さんが、同じ旅館業であるからこその目線だと思います。

はなぶさ旅館でも、以前「ネット販売に力を入れてみよう」という声が上がりました。

そうすると

  • 衛生について
  • 賞味期限の設定検査
  • 包装方法
  • デザイン
  • 保存方法
  • 原価計算

などなど、様々な意見が出てきました。

そして、結局「やらない」という結末。。

この「やらない」という事が、一番最悪です。

会議での話など、正に机上の空論。やってみないと何も分からないんです。

だから今回の販売は、会社はおろか、社長にも相談せずに独断で予約を受け付けて、販売しました。

販売決定をしてから、2週間後には予約受付を開始。しかも、50セット限定で。

調理長には、予約分を仕込む段階になってから報告。

「まずはやってみる。ダメならやり方を変えれば良いのだから。それでもダメなら、辞めれば良いのだから」

小ロットでも良いから、まずはやってみる。ブラッシュアップはそこから。

僕が、販売用のペペロンおにぎりの素を仕込んでいるのを見て、調理長から

  • 「次はこんな具材でやったら面白いんじゃないか?」
  • 「こんな商品なら売れるかな?」

など、積極的な意見も伺えました。

やってみて分かる事は多い。というか、やってみないと一つも分からない。

遠藤さん、素敵なブログをありがとうございました。