エンタメを売る寿司屋「照寿司」から、宿泊産業の未来を考える

YouTubeを見るのが好き。

  • 魚の神経〆の動画
  • 猪を屠殺する動画
  • 鰹を目にも止まらぬ速さで捌く動画

など。

あまり理解は得られませんが、そんな動画をよく見ています。

ある時、YouTubeで寿司屋の動画が”オススメ動画”で出てきました。

見ると、「照寿司」と言う寿司屋の動画が。

タイトルが英語で書かれていたので、「外国人向けなのかな」なんて思いながらクリック。

動画を見た最初の感想は

・・・「なんじゃこりゃ?」

と言う感じ。

言葉を濁さずに言うと「酷い仕事だな・・・」って。

高級な食材をふんだんに使ってはいるのだが、

  • 魚はまな板に叩きつけるし
  • 刺身の身は傷つけまくるし

同じ職人として、「ん?」となる点が非常に多かったのですね。

あぁ~、昔こうやって魚を扱って先輩からめちゃくちゃ怒られたなぁ~って。

YouTubeのコメント欄には、僕と同じような感想を持った人の、突き刺さるようなコメントで溢れていました。

あまりにも酷いコメントなので、ココでは紹介しませんが。

エンタメを売る

僕はちょっと気になって、照寿司について調べてみたところ、あることに気づきました。

「寿司を売っていない」と。

正確には、「エンターテイメントを売っている」と。

  • もの凄い高級な食材を使うのも
  • 派手なパフォーマンスも
  • 店主のドヤ顔も

すべてエンタメなんだなと。

この写真のように、大将のポーズは真似したくなるし、SNSにも投稿したくなるし、人に言いたくなるし、外国人にもウケそうだし。

実際に、Instagramなどでは「#これが照寿司のやり方」「#sushibae」などのハッシュタグで、沢山投稿されている。

トルコ人のシェフで、塩を振る動作が有名なシェフがいます。彼のInstagramのフォロワーは何と2千万人。

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🥚🔪🍖#saltbae #saltlife #salt #2020

Nusr_et#Saltbaeさん(@nusr_et)がシェアした投稿 –

「如何に楽しんでもらうか?」で料理をしているので、見た感じ「本当に美味いのかよ?」となるのですが、有名人も多数通うお店。あのレオナルドディカプリオや、サッカー日本代表の長友・平愛梨夫妻も来店したそうです。

照寿司が目指しているのは、そこなのではないのかな?

と言う僕の持論。

目線を変えると

そう言う目線で再びYouTubeを見ると、全てが納得出来ました。

  • 魚をまな板に叩きつけるのもパフォーマンス
  • 身を傷つけながら捌くのも、如何に派手に捌くかを考えて

など、いろいろ考えられているんだなぁと。

僕が見た動画は、巨大なクエを捌く動画だったのですが、何故か頭を付けたまま三枚に卸していたのです。

クエに限らず、基本的に魚は頭を落としてから三枚に卸します。その方が、綺麗に早く卸せるので。

基本中の基本です。

でも、照寿司では頭付きで卸している。だから身に傷が付いてしまう。

僕らの目線では「せっかくの身が台無しに・・・」

だが、

照寿司の目線では「頭付きの方が派手で、お客様も喜んでくれる」

なんじゃないかなって。

要するに、エンタメとして面白いからそうしているのである。

この部分だけ切り取ってみても、「寿司を売っていない」。あくまで「エンターテイメント」を売っている。

エンタメは技術を超える

寿司の神様、すきやばし次郎の小野二郎さん。日本で一番有名な寿司職人ではないでしょうか。

すきやばし次郎は、正統な江戸前寿司。そして、現在は海外からのお客さんで溢れています。

メニューは、ランチもディナーも”おまかせ握り”のみで、一人前3万円。

照寿司も、”おまかせ握り”のみで大体同じ値段。

要するに、寿司の神様と同じ環境・同じ価格で勝負できているのです。

長年かけて身につけた二郎さんの技術と、照寿司のエンタメは、同じ土俵にいるのである。

いや、むしろ照寿司の方が場所的な面で見れば不利なくらい。北九州の田舎町の寿司屋。しかも最寄駅からタクシーで10分。

YouTubeに辛辣なコメントをしている人に、”おまかせ握り”のみ・一人前3万円・この不利な環境、で営業できるだろうか?

多分不可能だ。

「北九州で、世界と戦う」インスタフォロワー2.8万人! 新時代のすし屋の魅せ方

(記事中より抜粋)

── それでも耐えて、発信し続けたんですね。

辛辣な意見も沢山言われたが、耐えて発信続けたそう。本当に、発信って大事ですよね。

現在の照寿司のフォロワーは3万人強。今年は、5万人のフォロワーを目指しているのだとか。

目線が全然違う。

多くの飲食店、サービス業が学ぶべき部分かなと。

宿泊産業に当てはめると

僕が、照寿司に行った事もないのにこれだけ詳しいのは、照寿司のエンターテイメントに惹きこまれている事にほかならない。

これからの飲食店が目指すべき道だと思います。

「来てもらったお客様を最大限に楽しませる」

それは、味やサービスだけではなく、「面白い」とか「また会いに来たい」なのかもしれない。

短パン社長ブログ【 5万目指してるんですよねー 」「 客単価ですか?」「 いえ、インスタのフォロワー数です 」世界一フォロワーが多いお寿司屋さん照寿司に行ってきました!

(ブログ中より抜粋)

どこのお店で食べるか、より、誰のお店で食べるか。

どこの洋服を買うか、より、誰の洋服を買うか。

これは商売をやっている限り、永遠のテーマです。自分の会社やお店にも置き換えてみましょうね。

と。

では、宿泊産業に置き換えると?

  • 記憶に残るように
  • 人に教えたくなるように
  • そこに行きたい理由になるように
  • その人から買いたくなるように
  • その人に会いたくなるように

まだまだ、やれる事はある。

照寿司からいろいろ勉強させられました。

でも・・・行った事ないけど!笑

「会いに行きたくなる旅館」、目指します!

(はなに会いたいなって人はコチラからはなぶさ旅館HP

安定の”ステマ”で締めます!

会いに来てくださいませ!お待ちしております!

これが伊豆のやり方!