板前という”裏方”の僕が、多くの経営者さんの前で講演して得たものは大きかった

裏方という職業

「旅館の板前」というのはどんなイメージでしょう?

  • クローズドキッチンの中で
  • 毎日毎日食材の仕込みをして
  • 盛り付けをして
  • 完全なる縦社会

そんな感じですかね?

だとしたら正解。全て正解です。(・・・あ、”完全なる縦社会”は、富嶽はなぶさには当てはまらないです)

ではそんな”旅館の板前”が、様々な企業の経営者さんを前にしてマーケティングについて何か語れるのか?何か語る資格はあるのか?

先日、87日に「エクスマセミナー」というマーケティングのセミナーにて講演をさせていただきました。

僕が学んだ経営塾「エクスペリエンス・マーケティング」のセミナーで、講演することになりました。 2019年8月7日の13時から、渋谷のカルチャーカルチャーという場所です。 是非お越しください!という宣伝。

人生初めての講演。板前の僕が。

講演してみて、非常に多くのものを得ました。ですので、メッチャ備忘録的なブログですが残しておこうかと。

経営は宗教だと思ったり思わなかったり

2年前に、エクスペリエンス・マーケティング「通称・エクスマ」を学んでから、僕の思考や行動は確実に変わりました。

エクスマを主宰する藤村先生に、緩やかな繋がりで人生を豊かにするヒントを沢山いただいた。

  • 「伝わっていなければ、この世に存在しないのと同じ」
  • 「とにかくやってみよう。ダメなら変えれば良いのだから」

という2つの言葉で、どんどん発信し行動することが出来た。

それから2年後の現在、大勢の経営者さんの前で講演していました。

エクスマと出会っていなければ、あのステージには立つことは出来なかったし、もしかしたら、今のように仕事を「楽しい」と感じられていなかったのかもしれない。

(この投稿を読むと、エクスマを少し理解しやすいです↓)

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そもそも、エクスマって何? 今日はエクスマのきっかけとなった話です。 写真は2005年頃に銀座カルティエの前で撮ったものです。 46歳頃。若い(笑) エクスマとは、エクスペリエンス・マーケティングの略語。 「モノではなく体験を売る」という考え方です。 エクスマのはじまりは、ある出来事がきっかけでした。それは、1998年12月24日に起こった「銀座カルティエ事件」 クリスマスイブの夜、銀座を歩いていたボクの耳に、ある言葉が飛び込んできました。
「どこで買っても同じジャン!」 このセリフ、イライラした若い男性から発せられたものでした。
若いカップルが言い争いをしています。 「ここじゃなきゃダメなのぉ~」
「別にここじゃなくてもいいジャン。同じモノなんだからさ」
「ちがうのぉ~」 ボクは興味をもち、立ち止まってショーウィンドウを見るふりをしながら聞き耳をたてました。
どうやら彼は、彼女にカルティエの「タンク・フランセーズ」という時計を、クリスマスプレゼントに買ってあげる約束をしていたようなのです。 タンク・フランセーズというのは有名な時計です。
美しく、知的でシンプルなデザイン。
お洒落で、さりげなく存在感を主張していて、持っている人のセンス良いライフスタイルを表しているようなモノです。
定価は当時、29万円。
カルティエ史上に残る、名品です。
 そんな時計を、よりによってこの若い男は、知性などという言葉は辞書にはもっていない、どう考えても似合わない茶髪にガングロの若い娘に買ってやろうとしているのです。 このカップルは何を言い争いしていたのでしょう。
要は、男のほうがディスカウントチェーンで、定価よりも7万5千円安い同じ時計を見つけてきたようなのです。 「7万5千円あれば、一緒に温泉旅行にだって行けるジャン」
「いやなのぉ~」 話がかみ合いません。
彼は彼女の欲しがっていた時計を、ディスカウントチェーンで買えば、カルティエで買うより7万5千円浮く、その浮いたお金で、一緒に温泉旅行に行こうと言っているのです。
でも彼女はひきません。 「だってそんなところで買ってもらったなんて、お友達に言えないよぉ」
「何言ってんだよ。同じモノなんだから、安く買ったほうが得ジャン!」
もうかなりイライラしています
彼女「ちがうのぉ~」 あーあー、とうとう泣かせちゃった。 彼は何故彼女がカルティエブティックにこだわるのか、まったくわかっていませんでした。
彼女も、自分がどうしてディスカウントストアで買ってもらった時計が嫌なのか説明できません。
とうとう彼らは最後までかみ合いません。
女の子は泣き出すわ、男はイライラするわ、きっとあの後すぐに別れてしまっているでしょうね。 ボクはそのとき、ものすごい教訓を得たのです。
まさに「エクスペリエンス・マーケティング」が誕生した記念すべき瞬間です。 「こういう男性ばかりだからモノが売れない!」 ということです。
え? わかりませんか?
では質問です。
彼女は本当にタンク・フランセーズが欲しかったのでしょうか? ま、確かに欲しいでしょう。しかし正確に言うと彼女は、 「カルティエのタンク・フランセーズという「モノ」としての時計が欲しかったのではなく、クリスマスイブに、彼と一緒にカルティエブティックに行って、ゴージャスな雰囲気の店内で、女性店員がうやうやしく接客してくれ、白手袋でケースの中から出してくれたタンク・フランセーズを買うという、「体験」が欲しかった」 ということです。 もっと単純に言うと、彼女は一見「時計」が欲しいように見えますが、実はそうではなく、ある種の「体験」が欲しかったということです。 
そうです、この「体験」が欲しいということを理解できないと、モノが売れないのです。
世の中の多くの企業やショップ、レストランなどが、このカップルの男性のように、彼女の本当に欲しいものがわかっていないのです。 だからモノが売れないって話です。 女性にモテる男性というのは、こういうところの感覚が、意識するしないに拘わらず、上手なんですよね。
恋が上手な男性は、ちょっと視点を変えると、優れたマーケッターになれると思うんですよ。 
この出来事をきっかけに、さまざまな施設で体験を売る視点を取り入れ、それらの事例をまとめて、2001年8月15日、「モノ」を売るな!「体験」を売れ!を出版。10年間で20刷のロングセラー書籍となりました。 もうこの本は絶版ですが、その後、改訂版の「やっぱり!『モノ』を売るな!『体験』を売れ!」を出版しています。 今でこそ、「体験」を売れと多くの方が口にするようになりましたが、20年前は、まだまだ良いモノを作れば売れた時代ですから、こんなことを言っている人はいなかった。 決して自慢しているわけではありません。 モノ余りの時代、より豊かな生活を手に入れたいと願う人たちにとって、この視点はますます重要になってきたからだと思うのです。 #エクスマ #藤村正宏 #モノを売るな体験を売れ #ビジネスの気づき#マーケティング#気づき#エクスマ#店舗#施設#集客#集客術

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僕が最初に入った会社は一部上場の企業でした。・・が、

  • 変な社訓をずっと大声で言わされたし
  • 笑顔の練習をさせられたし
  • 入社式でハウンドドック歌ったし
  • でもそれが正義だったし。

今考えるととんでもなく変な”しきたり”でも、その時その場所ではそれが絶対的な正解だったわけで。それってある意味宗教だなって。

経営を考える上でも心理って大事な部分で、僕はエクスマを学んで変われたと思っています。

今までだったら絶対にやらなかった事も、「とにかくやってみよう」と行動に移せる様になったのだから。

  • 本を読んだり
  • セミナーを受けたり
  • 講習を聞いたり
  • 経営合宿に行ったり

その時は感化されて「やろう!」と思っても、日々の仕事に忙殺されていくと次第にその心は薄れ忘れていく。人ってそんなもんです。

僕だって同じで、やっぱりエクスマの合宿へ行った直後と今とでは違う心です。やはり人は自分自身には甘いのです。

セミナーで講演してみて

講演で伝えるのは、ブログで綴って伝えるのとはまた全然違う感覚。それでも、「誰に・何を伝えて・どうなってもらいたいか」を考えて伝えるのは同じ。

しかし、自分の言葉で直接人に伝えるのは非常に難しかったです。

”伝える力”を養うため、以前通った経営塾「エクスマ塾」の上位コース「エヴァンジェリストコース」の門を叩いたのが3ヶ月前。 先日、全6講あるうちの第3講目の合宿が終わったので、忘れないように記しておこうかと。 「伝える」と「伝わる」は全然違うんだなぁと、今回の合宿で理解できました。

まず初めに、”自分の伝えたい事”と”人の知りたい事”は必ずしもイコールではないという事を知る。初めはそこが分かっていませんでした。

自分が伝えたい事ばかり話して、相手を置き去りにしてしまう。・・・結果、伝わらない。

また、感情を込めて伝えないと、人は飽きてしまう。

淡々と抑揚もなく話す癖が僕にはある様で、「全然つまらない」と。内容は良いのに台本を読んでいる様で面白くないと。・・・結果、伝わらない。

  1. 誰に伝えるのか
  2. そして何を伝えるのか
  3. その結果、どうなってもらいたいのか

追求すればするほど難しく、そして楽しい。

人生初めての登壇でしたが、とても楽しく話ができました。

心から良い経験ができたと。自分自身がアップデートできたと。。

沢山の方に心からの感謝を

今回エクスマセミナーに登壇するにあたって、今までの自分を棚卸ししました

  • 2年間発信し続けてきた事
  • 自分の思った事に挑戦してきた事
  • とにかくやってみる精神で行動した事
  • 行動したことによって周りが変わったこと

振り返ってみると、昔のままの自分だったら絶対にやってこなかった事だなぁと、改めて。

思考を変えるのって、非常に難しい事だと思うんです。思考が変わらないと、日々の行動は絶対に変わらない。だから、僕はエクスマと出会えて本当に良かったと。

挑戦する素晴らしさ、行動する楽しさを学べたのだから。

そんな僕だからこそ、人に伝えられることがあると思うんです。

板前という裏方の僕が、エクスマセミナーの舞台で多くの経営者さんの前で伝えられることがあると。

  • 貴重な場を与えてくれた藤村先生
  • 講演するにあたって沢山のアドバイスをくれたエクスマの皆さま
  • 拙い講演を聴いてくれた参加者の方々
  • SNSDM、直接応援の言葉をくれた皆さん
  • 同じ日にゲスト講師で登壇した横ちゃん

本当にありがとうございました。

皆さんの様に、「人のために」と心から考えられる人になりたいです。

未熟な僕を成長させてくれて本当にありがとうございました。

引き続き、自分の為ではなく人の為になる様な発信を心がけます。

  • 「とにかくやってみよう。ダメなら変えれば良いのだから」
  • 「伝わっていなければこの世に存在しないのと同じ」

藤村先生のこの2つの言葉を胸に。


しかし、何でスーツ着て講演したのか!白衣にすれば良かった!!