コンニャクは味が入らない という嘘
コンニャクを食べたら味が薄かった。
こんな経験一度はあるだろう。
そんな時の言い訳は決まって「コンニャクは味が入らないからね」という台詞。
本当にそうだろうか?本当に味が入らないのだろうか?
そんな訳はない。だって美味しく染みたコンニャクを食べたことあるでしょ?あれの説明がつかないですよ。
実際には「コンニャクは味が入らない」ではなく「コンニャクは味が入りずらいがしっかり入る」
では如何にして?
それは「包丁」と「時間」の2つがポイント。
隠し包丁
(*板前の世界ではモノを切る事を「包丁する」と言います。今回は切る事を包丁すると書かせていただきます)
コンニャクに味を染み込ませる為には、まず隠し包丁を施す必要がある。適当な大きさに包丁したコンニャクの両面に斜めに隠し包丁を入れていきます。
1mm程度かな。深く入れすぎると出来上がりの断面が汚くなってしまうので浅く細かく入れます。
この隠し包丁の切れ間から味が入ってくるのです。
ですので非常に大事な作業です。
料理は愛情と言いますが、愛情は一手間です。この一手間を惜しんでいては美味しいものなど作れるはずがありません。
もし奥様のコンニャクに隠し包丁が入っていないんだとすると・・・その程度の愛情なのでしょう。
下ごしらえ
コンニャクには臭みやえぐみがあります。その為下茹でが必ず必要。
先ほど隠し包丁したコンニャクを下茹でします。沸騰してから3~5分くらい茹でます。茹で上がったら水気を切り、フライパンで両面焼いていきます。
コンニャクは煮崩れはしないのですが、煮ていくとどうしても表面がダレてきてしまいます。焼くことでそれを防ぎます。
まぁ、家庭では必要ないかもしれませんが。これも一手間。これも愛情。
時間をかけて煮る
そして後はゆっくり煮ていくだけ。
弱火でじっくりです。はなぶさ旅館では8時間くらい煮るかな。ゆっくりゆーっくり味を入れていきます。
味が濃くなったら水を足して薄めれば良いので、とりあえず長い時間火にかけておきます。
先ほども申し上げた通りコンニャクは煮崩れしないので、ずっと火にかけておいて大丈夫なのです。
とにかく時間をかけてください。時間が解決してくれます。
「恋わずらい」と「コンニャク煮」は時間が解決してくれます。
ゆっくりゆっくり時間をかけて解決しましょう。
そして後は一晩冷ませば、染みっ染みのコンニャク煮の出来上がりです。
包丁
出来上がったコンニャクは「さざ波切り」で包丁します。
さざ波切りとは、その名の通り表面をさざ波のように包丁すること。
コンニャクは表面がツルツルしています。さざ波切りにすることで、つゆが流れ落ちないのです。すなわち味が薄くならないのです。
お刺身のタコなんかでよく見たことがあると思います。あれも醤油が流れ落ちないようにする為。
包丁を引きながら前後に揺らしましょう。最初は結構難しいですが、練習すれば出来るはずです。
知らない人が上げていた「さざ波切り」の動画を貼っておきますね。超チャラい動画です。
「ギザギザギザギザ・・ギザリングですねぇ。」←・・・って、ギザリングって何?知ってる人いたら教えてください(切実)
最後に
これで、コンニャクは味が入らない問題は解決するはずです。
「コンニャクは味が入らないのよね・・」
奥様がこの一言を発したら、このブログのURLをそっとLINEで送ってあげてください。
多分ぶっ飛ばされます。
ちなみに、先日お客様から「このコンニャク、味がしっかりしてて美味しい」と言われました。
そのレシピを特別に載せておきますね。
【こんにゃく利休煮】
- 大判コンニャク 2丁(1丁を6つに包丁)
- 出汁 1200cc
- 濃口 250cc
- 砂糖 200g
- 練り胡麻ペースト 115g
煮物をするならこちらの記事も合わせてお読みください→ 煮物は時間かかるけど難しくはないって事
さあ!みんなも煮物を炊こうぜ!