ワイン会試食
4月8日に行われる「桜ワイン会」。その試食会が先日、当館はなぶさ旅館にて行われました。
桜ワイン会は今回で4回目。ワイン会自体は全部で8回目くらいかな?
始めの頃は試食会などはやっておらず、ぶっつけ本番状態。今考えると恐ろしいです。そもそも試食会をやって、ワインとのマリアージュを考えるようになったのは、以前開催したワイン会に参加していただいたマダムからの「お食事に合うワインが1つもありませんけど」と言う一言。
始めこそ「何だ?このクソばb・・」などと思いましたが、よく考えたら僕らがいけなかったと大反省しました。だって「マリアージュ」を謳っておいて、マリアージュの事を一切考えていなかったのだから。超怠慢です。ごめんね、マダム。
と言う事で反省は猿でもできるので、反省ではなく行動に移す事に。次回に活かすために試食会を行う事にしました。でも、この試食会が非常に面白い。
普段、食事とワインのマリアージュについて考える時あります?せいぜいワイン1本開けて、「このパスタに合う」とか「意外と煮物にこのワイン合うね」とかって感じじゃないですか?
何本も何本もワインを開けて、料理に対して何のワインが合うだろうか?なんてやりませんよね。と言うかそんなに飲めないし、もったいない。でも、この試食会ではできるのです。だから面白い。ホント色々な発見があります。
「浜小鰯の南蛮漬け×ドイツのリースリング」とか「蜂蜜梅干しの燻製×ロゼダンジュ」など、今までの僕のワイン感を変えるくらいの衝撃が過去の試食会でありました。
蜂蜜梅干しの燻製×ロゼダンジュのブログはこちら→梅干しに合わせるワイン。あなたなら何を選ぶ?
むしろこの試食会自体で、人を呼べるくらいのクオリティなんじゃないかと最近思っている次第です。「ソムリエ免許持っている人限定」とかでやってみようかな?
桜ワイン会の料理
今回の料理も各調理長とも、気合いが入りまくっております。
調理場の人数の関係で、担当する献立数にバラつきがありますが、力の入れ方は全員一致。
そんな試食会の献立をご紹介
- 「前菜」 菜花アンチョビオリーブ 唐墨覆輪焼 グルニュイユのオムレツ ペペロン蛍烏賊 クリームチーズの味噌漬け 北海蛸桜煮 鮪とアボカドのタルタル 美味鶏香梅焼 長芋このわた
- 「お造り」 鰆焼き霜造り 桜鯛松皮造り 由比桜えび
- 「煮物」 海老真薯信田巻き 狭腰道明寺茶巾雲丹鋳込み 鯛子土佐煮 筍 蓬麩オランダ煮 花蓮根白煮 赤黄桜花人参 釘蕨 山葵餡
- 「食事」 山菜と地鶏の焼きおにぎり はりはり大根 有馬煮昆布
- 「強肴」 鶏香草蒸し ネギ味噌 チーズ蓮根煎餅はさみ
- 「サラダ」 山葵菜 レディース大根の鉄皮サラダ エスプーマ掛け
- 「デザート」 マンゴープリン 江間苺 キウイ オレンジ 桜花ジュレ掛け
- 「焼き物」 サーモンのパイ包み焼き アメリケーヌソース添え
どうですか?感じてくれましたか、この本気度を?
各調理長ともに、ワインに寄せた献立を考えてくれました。エスプーマやアメリケーヌソースなど、味付けの方面ではかなり合わせやすい献立です。ありがたい。
1回目から比べると、かなり変わってきた事が分かります。最初は完全に「和食」を全面に出していたので少しワインとのペアリングは難しかったのですが、今回はそこまで頭を悩ませる必要はなさそうな印象です。
ワイン会自体のクオリティも上がっていますが、各旅館の調理場も新たな献立にチャレンジできる良いチャンスなのです。僕自身も、使った事があまりない「ナンプラー」や「バルサミコ酢」などの調味料を使ってみました。新しいものを使うとアドレナリンがビンビン出てくるのを感じます。
4月8日に行われる #桜ワイン会 の試食の準備ちう。
いつもと違って「和食」という枠組みから外れられるのが面白い。
今回はバルサミコ酢、ナンプラーなど和食ではあまり使わない調味料を使ってみる。
知らないものを使うとアドレナリンがビンビン出てくる。つまりアドレナリンビンビンなうです。 pic.twitter.com/GfEsL98xWA— 「はな」陶芸の宿はなぶさ三代目 花房光宏 (@hanabusamitsu) 2018年3月21日
桜ワイン会のワイン
試食会で試飲したワインと当日のワインは必ずしも同じではない事を最初にお断りしておきますが、今回のワインも素敵なラインナップになりそうです。
主には「泡」を1本、「白」を2本、「ロゼ」を1本、「赤」を1本。がメインのリストにしようと思っています。そこにスペシャルキュヴェを何本か用意するという流れ。
以前は7種類でリストを構成していましたが、それだと種類が多くてサービスするのに時間がかかるのと、所謂「重い」赤ワインは日本食とのマリアージュが悪いので、「重めの赤」はスペシャルキュべとして用意しリストから外す事にしました。秋のワイン会に、この方式で行ったら好評でしたので今回もそのようにします。
今回の試食会で良かったワインは、フランスのロゼと北海道のピノ・ノワールです。
こちらがフランスのロゼ「ドメーヌ・バサック・トラキル・ロゼ」
エチケット(ラベル)を見ると、まるでヴァン・ナチュール(自然派)。色もピンクというよりはオレンジに近い色。全体的にヴァン・ナチュールの様な感じですが、れっきとしたロゼ。しかもフランスのロゼ。そこが面白いです。しかも、味は甘みが少なく料理とマリアージュしやすい感じ。フランスのロゼなのに、スペインの土着品種「テンプラニーリョ」が10%も入っているのがまた興味深い。普段はあまり飲まないようなワインかと思いますのでお楽しみに。
美味鶏香梅焼や鶏香草焼などの鶏肉に良く合いました。
そう言えば昨日の #桜ワイン会 の試食で飲んだこのロゼも最高だった。
エチケットも色もヴァンナチュール(自然派)のワインみたいだけど、普通のロゼ。
しかもフランスのロゼ。このエチケットでフランス。それだけでビックリ。しかも10%テンプラニーリョが入っているという意外性。おもろい。どやさ? pic.twitter.com/Ys5nIdoWFQ— 「はな」陶芸の宿はなぶさ三代目 花房光宏 (@hanabusamitsu) 2018年3月22日
こちらは、「北海道余市」のピノ・ノワール。
正直、日本のピノ・ノワールを飲むと、いつも辟易としていましたがこのピノは別格でした。深み・香り・収斂性・充実感など全てにおいて満足するワイン。日本のピノ・ノワールがここまで来たのかと驚きました。試食会参加者の面々も「これは良い!」「美味しい!」を連発。ではこのワインで決定・・と思ったのですが、一点だけ問題が。それはこのワインの値段。なんと1本4000円。かなり良い値段です。お店で開けたら10,000円はするであろう1本。さて、どうしたものかと悩んでいたら、ソムリエの師匠・青木先生から「なんとかする」との一言。ということで、何とかなるのでしょう!まだ未定ですが、リストに入ったら是非飲んでいただきたいワインです!お楽しみに。
わりと何にでも合いそうでしたが、煮物に合わせるのが良かったです。
マリアージュの神秘
試食会は毎回、「驚き」と「発見」があります。今回も面白いマリアージュや完璧なペアリングを発見できました。当日の献立には「このワインとこの料理を合わせてください」との説明書を入れます。試食会での驚きを、参加者の皆さんと共有できればと思っています。
ただし、味覚というのは千差万別。僕は「良いマリアージュ」だと思ったものも、他の人からすれば「ん~・・」というものかもしれません。全員に合うマリアージュなんて存在しないと思っていますし、全員が美味しいという料理も存在しないとも思っています。
「じゃらん」や「楽天トラベル」で、はなぶさ旅館のレビューを見ていただければ分かると思いますが、料理に5点を付けてくださったお客様もいれば、1点を付けてくださったお客様もいます。まぁ、色々な側面があるかとは思いますが人間なんてそんなものです。全員は満足させられません。でも「こだわり」はあります。その「こだわり」が伝われば良いなと。
だから、当日はご自身でもマリアージュを発見して見てください。面白い発見があると思いますので。ごちゃごちゃ書きましたが、当日はそんなに色々な事を考えずに楽しんでいただければと思います。「コレにこのワイン合うねぇ」ぐらいの軽い感じで!
準備は着々と進んでおりますので!残り席数はあと3席だけ!気になる方はお早めに!
ワイン会の詳細と参加方法はこちらから
一点だけ心配な事は「桜は残っているの?」