料理人の心得。これから料理の世界を目指す”あなた”に送る。

先日、はなぶさ旅館主催で開催した「はなぶさワイン会

参加者の方々に、「またやってね」「美味しかった」「最高だった」という嬉しいお声をいただきました。

”ワイン×和食”

まだまだ深く追及できそうですので、これからも続けます。もっと機会を増やそうかと。

  • 飲み会が好き
  • ワインが好き
  • 和食が好き

という僕にピッタリの企画ですから。

参加者の方々よりも、僕の方が楽しんでいたかもしれません。

当日の様子は、前回のブログにて

先日、はなぶさ旅館主催で初めて開催した「はなぶさワイン会」。18名の参加者が集まり、大盛況で幕を閉じました。 当日の様子などを書き残しておこうかと。

今回は、調理場の中でも挑戦をしました。

長く料理の世界にいると、最初の志を忘れてしまいがちになる。

ワイン会を通して、初心を取り戻して欲しかったんです。

僕らはいつだって、お客様の「美味しい」の為に向上しなければならないのだから。

はなぶさ旅館 調理部の挑戦

1129日に開催した”はなぶさワイン会”

いつものワイン会は、僕も活動している地域おこしの団体”長盛隊”で主催していましたが、今回ははなぶさ旅館で主催する事に。

今年の秋のワイン会は、はなぶさ旅館主催でやる事にしました。 いつもとは違う会席料理というスタイルで。はなぶさ旅館調理場の本気、是非お楽しみください。 11月29日(木)の18時半からです!

長盛隊でも、ほぼ全て僕が仕切っていたのでやる事はあまり変わらず。

でも、「せっかく自分の旅館で最初から最後までやるのだから、何か旅館に繋がるようにしたい」

そう企画段階から思っていました。

“旅館の板前は、ルーティーン作業に慣れすぎてしまった”

これは、旅館に帰ってきてからずっと感じてきた事。

朝の出勤時間、仕込み、盛り付け、切り付け、味付け、掃除、退勤時間・・

いつの間にか、仕事に何の張りも無くなっている・・・なんて思うことも少なくない。

僕たち料理人の多くは、料理を作った時に喜んでもらえた感動が料理の世界への最初の一歩だったはず。

  • 子供の頃に、お母さんに作ってあげたスクランブルエッグ
  • 彼女に初めて作ったハンバーグ
  • バイト時代のお客様の笑顔

そんなものに、心を動かされて料理の道を目指したのではないのだろうか?

でも今はどうでしょう?

日々の仕込み、いつもの盛り付け、変わらない日常。

そうなっていないだろうか?

多くの料理人が、日々のルーティーンを繰り返しているはず。

最初の志は何処へ行ってしまったのか・・。

でも、心の中の火は消えていない!

そう信じて、僕は調理場全員に今回のワイン会の献立を振る事にしました。

  1. 「自分で挑戦してみたい・やってみたい料理」
  2. 「自分が”ワインに合いそう”だと思うもの」

という2つの条件を付けて、自由に献立を考えてもらいました。

原価率も気にせず、好きな食材・好きな味付けで。

僕が常々思っている事は、仕事は考えながらやらないと「作業」になってしまう。という事。

料理人は間違いなくクリエーターであり、ものづくりの仕事である。だからこそ、「作業人」ではなく「仕事人」でいなければならないんです。

常に、お客様の”美味しい”の為に、頭を働かせ続けなければいけないし、向上し続けなければいけません。

今回の、はなぶさワイン会では、

  • 料理長 【中皿・煮物・刺身】
  • 僕 【前菜・食事・お椀・香の物・刺身の喰い味】
  • 刺し場 【止肴】
  • 焼き場 【水菓子】

を、考えました。

みんな、本を買ったり、調べたり、料理長に質問したり・・と、色々考え、悩んでいました。

僕も、40品以上の献立を考え、試食で20品、実際には12品を提供しました。

調べたり、考えたりするのは、本当に大切です。そして楽しいんです。

少しでもそんな感情を思い出して欲しかったんです。

各板前のアイデア

「板前全員に、好きに献立を考えてもらおうと思っています」

ワイン会の企画段階で、そう料理長に伝えました。

前述したような理由をしっかりと伝えて。

「じゃあ、刺場には”止肴”を。焼き場には”水菓子”を担当させてみようか」

と、快く快諾してくれた料理長。

僕のわがままを、いつも受け止めてくれる料理長。有難いです。

今までのワイン会は、僕と料理長だけで献立を作成し、それを他の板前に手伝ってもらうという形でした。

そう、僕たちが自然と周りの板前を「作業人」にしてしまっていたのです。

”一人で全部考えるのが、一番まとまった献立ができる”

これは、板前の常識。

食材・旬・流れ・量・質・・などなど、総合的に考えられるから。

4人で献立を考えるという事は、チームに監督が4人いる という事です。

まとめるのが難しくなるのは当然の流れ。

しかし、1回のイベントだから出来る。

毎月の献立を立てる時に、毎回4人で考えていたら歪みが生まれるかもしれませんが、1回きりのイベントだから挑戦しやすい。

今後、ワイン会をそんな”挑戦の場”にしたいという思いを、まずは形にしてみました。

【止肴】

”薯蕷葛豆腐 梅肉ソース掛け”

刺場が考えた止肴です。

中にはフォワグラ・ウズラの卵・ミニトマト・針生姜を入れています。

吉野葛の中に、卵白、大和芋を入れて火にかけて練り、上記の具材を入れて茶巾にします。

葛豆腐の硬さを調整するのが難しい仕事で、何度も失敗しては試作を繰り返していました。

【水菓子】

”ホワイトチョコのムース ベリーソース”

焼き場の若手が考えた献立。

ホワイトチョコを湯せんで溶かして、生クリームや牛乳で伸ばし、味を整えて器に流します。

ベリーソースは、苺・ラズベリー・ブルーベリーをミキサーで潰して、グラニュー糖などで味付けしたもの。

デザートの料理本などを参考に作ったようです。

ご常連様の水菓子として、既にお客様にも提供しているくらい完成度が高かったです。

やっぱり、やれば出来るんです。

「やらせていなかっただけ」

本当に、そう反省しました。

与えてあげれば、「お客様の美味しい」の為に考えて行動するんです。

これから料理人を目指す”あなた”に送る

”料理を作るって面白い”

料理人だったら必ず持っているべき感情です。

今、旅館で働く板前のどれくらいが、面白がって料理を作っているだろうか?

多分、少ないと思います。

だから、楽しめるような”場”をドンドン与えていかなければ、板前がドンドン死んでいきます。

「若い衆は皿洗いしてろ!」

なんて時代は、とうの昔に終わったのです。

「若い人にチャンスと経験を」

そんな風に変わっていく事が、和食を活性化させる術なのではないだろうか。

今回、調理場で挑戦してみて本当に良かったです。

僕のわがままに付き合ってくれる調理場にも、最大の感謝をしています。

こんな機会を、もっと増やしていこう!そう決心しました。


って事で、はなぶさ旅館では、一緒に働く料理人を募集しています!

必ずチャンスと経験が積めるような舞台を用意します。挑戦してもらいます。

決まりきったルーティン作業ももちろん大事ですが、自分で考えた料理を発表する場所は必要!

若きあなたの腕を奮ってみませんか?

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はい、最後は華麗なるステマでした~。

挑戦したい”あなた”を待ってます!