先日、旅館組合の集まりに出席した時に、海外予約サイト(Trip.com←コチラからは絶対に予約をしないでください)からの予約トラブルについての話を伺いました。
ほぼ詐欺のような手口に慄きました。
被害の大きさ・手口の悪質さなど、宿泊業界に身を置くものであれば、その事態を想像すると眠れないほどの恐怖心が湧いてくるでしょう。
師走の繁忙期。
旅館の予約数は年末へ向けて増え続けます。
そんな時期での予約トラブル。しかも悪徳サイト(Trip.com)が仕組んだトラブル。
出来るだけ被害が少なくなるように、ブログに綴っておきます。
下記に思い当たる予約がある方は、宿泊先へのご確認をお勧めします。
- 海外宿泊予約サイトから、一室のみ空いていた部屋を予約した
- 返金不可、2泊以上限定など、高額で不利な条件だった
- 予約確定通知が来ない
宿泊業界で今問題になっている #空売り 。
下記に思い当たる予約がある方は、今一度ご確認下さい。1.海外宿泊予約サイトから、一室のみ空いていた部屋を予約した
2.返金不可、2泊以上限定など、高額で不利な条件だった
3.予約確定通知が来ないhttps://t.co/m40soP8N6T— 「はな」陶芸の宿はなぶさ三代目 花房光宏 (@hanabusamitsu) 2018年12月3日
ほぼ犯罪のような手口
既に、多くの被害者を出している今回の事件。
今年の成人式で、ハレノヒが犯した事件と似たような事案。
ブログにも、事件の詳細がまとめられています。
【スクープ】”存在しない部屋”を販売する海外大手宿泊サイトのカラクリ 年末年始に「部屋なし」問題大量発生も懸念
上記のブログから、抜粋させていただきます。
カラクリはこうである
- もう既に売り切れになった日の宿の予約を、勝手に売り出してしまう(Trip.comにて)
- 売り方は、「一室限定」「通常料金の2倍以上の金額で」「前払いで返金不可」「お客様都合のキャンセルは100%のキャンセル料を頂戴する」というもの。
- しかも、宿が海外予約サイトとの契約店であろうが、契約店で無かろうが構わず販売。
- 別サイトで安価な予約キャンセルが出たら、悪徳サイトが予約を購入。プランの差額は悪徳業者の取り分となる
- 宿の予約キャンセルが取れなかった場合は、悪徳サイトから一方的にキャンセルがされる。キャンセル料はお客様に返ってくるが、泊まる宿の予約が取れずに宿難民に。
- もっとも最悪なのが、悪徳業者からの一方的なキャンセルに気づかなかった場合。予約が入っているものだと思い宿へ向かうと予約が入っていない。宿に空きが無ければ、宿側はお客様を受け入れることは出来ない。
以上が、詐欺のような手口の詳細です。
悪徳サイトの旨味はどこ?
この事案、最大のキーワードは「キャンセル料」です。
- 予約が取れれば、販売価格の差額を徴収できる
- お客様都合のキャンセルであれば、100%のキャンセル料が入る
- 予約が取れなくても、一方的にキャンセルをして返金すれば、何のペナルティも無し
悪徳サイト側は、何のリスクもなく大きなキャンセル料、又は差額で得られる利益を徴収できるのです。
宿側は販売されている事も知らない、何倍もの値段で販売されている事も知らない。
しかし対応に追われるのは、宿の予約係、又はフロント係。
「予約したのに予約が入っていなかった」などの口コミを書かれるのも、宿のサイトのレビューページ。
お客様は、払わなくても良い余分なお金を払わされる。
一番最悪なのは、宿を確保できないという事。
これからの時期、宿の予約はどんどん取りにくくなります。人気の宿泊施設なら尚更です。
そんな時に、予約が入っていないお客様がご来館されたら宿はどうするのか?
満室の宿泊施設にはどうする事も出来ないのです。
被害を受けるのは、お客様。そして宿。
何末年始は特に注意が必要です。海外予約サイトから宿予約をされた方は、必ず宿泊施設への確認をしてください。
これから予約をお考えの方は、宿の公式HPからの予約が一番安心です。
宿へ直接電話予約するのも良いです。
はなぶさ旅館の公式HPはコチラ→はなぶさ旅館公式HP
自分の身は自分で守る。いや、自分の予約は自分で守りましょう。
予約確認をして予約が入っていなかった場合の対処
宿泊施設に連絡して万一予約が入っていなかった場合、決してサイトの”キャンセルボタン”を押してはいけません。
100%のキャンセル料がサイト側に流れてしまいます。
以下、サイトより抜粋
宿側と相談して、対応を取りましょう。万一予約が入っていなかったからといって、キャンセルボタンは決して押してはならない。自己都合でキャンセルすると、あなたが事前決済した宿泊料金は全額没収されてしまうからだ。また、少ない確率ではあるが、サイトが本当に部屋を用意してくるかも知れないので、別のホテルを慌てて手配することも控えて欲しい。まずは事実確認の上、ホテルやサイトと相談して円満な解決策を探るしかないのだ。
https://www.traicy.com/20181201-tripcom/3
これからの予約のあり方
僕は常々思ってきた事があります。
宿泊施設はキャンセルに寛容すぎる。という事。
今回は、そんな部分を狙われました。
前日までキャンセル料がかからない。そんな施設も多くあります。
当館も
- 3日~2日前 宿泊料金の30%
- 1日前 宿泊料金の50%
- 当日 宿泊料金の100%
- 不泊 宿泊料金の100%
とはなっていますが、それでも甘い。もっと前からキャンセル料をかけなければ、今回のような事案は後を絶たないと思います。
直前の予約キャンセルが多いから、悪徳サイトがやっているようなヤクザな商売が成り立ってしまうのだ。
宿側にも責任の一端はある。
今の状況だと、あっちもこっちも予約を取っておいて、直前になったらキャンセルをすれば良いという事が出来てしまいます。
実際に、当館でも予約が入っているがご来館がなく、連絡するとキャンセルのし忘れ という事があった。
食事・人・お部屋・その他諸々を用意する事は、決して1日では出来ません。
何日もかけて用意しているのに、そんな身勝手なキャンセルをされてしまうのです。
これは「出来てしまう」から問題なので、お客様の問題ではない。
宿側が、もっと厳しくキャンセルに対して向き合うべきなのだと。
お客様の為にも、宿側が厳しいスタンスを取らないといけない。
今回の事案で、そういう流れが作れると良いかと。
喰い物にされてばかりでどうするんだ!自分の未来は自分で用意しないとね!
頑張ろうぜ旅館!
お客様、宿予約には気をつけてください!心配でしたら、一度宿の方へ直接ご連絡ください。
先日ツイートした悪徳サイトについてのブログを書いております。
マジでクソ最悪なサイトですので注意喚起をする為に。
この期に及んで、まだ「現象は認めるが責任は認めない」という態度のサイト。
トリップドットコム(https://t.co/yeHCIrp5G9)からの予約は絶対にしないでくださいね。 pic.twitter.com/AG655AcnYs— 「はな」陶芸の宿はなぶさ三代目 花房光宏 (@hanabusamitsu) 2018年12月7日