先日、僕が主催した体験プラン「玉子焼きプラン」を開催した。
初めての事で色々不手際はあったかと思うが、参加者の皆さんが楽しそうだったのでとりあえず一安心。
今回出た反省は、次の体験プランまでにブラッシュアップする。
そう、次回も必ずやる。
「宿泊×体験」は、旅館が生き残っていくための鍵となるはずだから。
今回のブログは、玉子焼きプランの様子や内容などを紹介するブログ。
参加者から、「もう終わっちゃうね。楽しかった」と言ってもらえたこのプランは、果たして成功だったのか?失敗だったのか?
その答えは、これからの僕にかかっている。
玉子焼きプランの概要
玉子焼きプランの体験は
- 自分だけの玉子焼きの器を、陶芸教室で作る
- 最高の宿泊体験
- 料理とお酒のマリアージュ体験
- 玉子焼きの焼き方を覚える
- ベアードビール試飲体験
大まかには、以上の体験をプランに織り込んだ。
テーマは”玉子焼き”
玉子焼きを柱として、様々な体験をしてもらおうという意図だ。
陶芸体験 玉子焼きの器作り
9月18日 14時にはなぶさ旅館にご来館した参加者の2人。
今回参加してくれたのは、地元の自転車屋「トミオカ輪店」の嵩井さんと、東京から来てくれた友人の田中さん。
後は、プランをサポートしてくれる、地元の酒屋「杉山商店」の杉山雅一さん(以下 スギちゃん)と僕の計4名で全員だ。
プランの最初の体験は、玉子焼きの器を作る体験から。
はなぶさ旅館の館内では、陶芸体験が出来る。宿泊者限定だが、旅の思い出に陶芸品を作っていくお客様は少なくない。
陶芸教室は、宿泊者の方のみ体験でき、5日前までのご予約が必要。
僕も一緒に陶芸体験をさせてもらったが、改めて思ったのは「土に触るのは楽しい」って事。
最近土に触りましたか?
僕は土に触ることによって、かなり癒された。平皿1枚だけの体験だったが本当に楽しかった。
参加者の2人も試行錯誤しながら、楽しそうに器を作っていた。一番真剣だったのは、サポートのスギちゃんだったが・・。
陰干し→素焼き→本焼き の工程を踏んで、約2か月後に器は完成する。
自分で作った玉子焼きの器に、自分で焼いた玉子焼きを是非盛っていただきたい。
最高の宿泊体験を
器を作った後は、はなぶさ旅館の温泉に入ってゆっくりと過ごしてもらった。
プランを立てるにあたって、もう少し内容を多くするか?との議論をスギちゃんとした。
でも僕の中で、せっかく温泉旅館に来たのに、疲れてしまうくらい内容が詰め詰めなのはどうなのか?という思いが。
だから、ゆっくり過ごす時間を多くした。あまり自己主張の強すぎない内容にしようと。
夕食は、玉子焼きプラン特別献立をご用意。
- 季節の前菜
- 駿河湾産の地魚をふんだんに使ったお造りの盛り合わせ
- 百合根饅頭雲丹餡掛け
- 海老東寺揚げ クレープ巻き
- A5和牛静岡そだちの炙り鮨
- はなぶさ旅館名物 伊豆まぶし
などなど。
本気で「美味しい!」と言ってもらえるように、料理長とこの日だけの特別な献立を考えた。
乾杯は短パンビールのIPAで。その後、中伊豆ワイナリーのワインや和食に合うワインを。ソムリエで板前である僕ならではの視点でアイテムは揃えた。
また、前日に中伊豆ワイナリーの醸造途中のワインを戴けたので、それも参加者にテイスティングしてもらった。市場には絶対に出回らない発酵途中のワイン。参加者の、驚いた表情が堪らなかった。
2次会では僕の大好きな伊豆のクラフトビールを。
僕の”好き”をとことん好きになってもらいたくもあったので。
翌日はみんなで朝ご飯を食べ、少しゆっくりとしてもらってから、玉子焼きプランのメインイベントへ。
玉子焼き作り体験 料理体験
玉子焼きプランのメインイベント・玉子焼き作り体験は、2日目の10時半ごろからスタート。
参加者には、2種類の玉子焼きを2種類の焼き方で焼いてもらう事にした。
- ”甘い玉子焼き”と”甘くない玉子焼き”
- ”巻きすを使うやり方”と”巻きすを使わないやり方”
それぞれのお出汁の配合も、特別にお教えした。はなぶさ旅館秘伝の割合で。
参加者の2人に、玉子の卵液を混ぜてもらい、まず僕が2種類の焼き方を指南。
その後2人に焼いてもらったのだが、2人ともすごく上手だったので僕の出番が少なかったのはここだけの話。。
銅鍋の重さに苦戦しながらも、楽しそうにやってくれてホッとした。
和気藹々とした雰囲気が、なんとも居心地がよかった。
以前やった料理教室・シノハナキッチンでも感じたが、料理を一緒に作ると距離が縮まる気がする。
やはり、体験を通して人の絆は深まるのかなと。
参加者が作った玉子焼きはお持ち帰り用にしてもらい、僕が焼いた玉子焼きと、おつまみを何品か作ってベアードビール工場へ向かった。
ベアードビール試飲体験
ベアードビールは、伊豆が世界に誇るクラフトビールである。
ベアードビールの本社工場が、ここ伊豆の修善寺にあるのはご存じだろうか?
是非参加してくれた2人にも、ベアードビールの生ビールの美味しさを味わってもらいたく、ツアーのプランに入れた。
”実際に焼いた玉子焼きを肴にベアードビールを”
みんなで作ったおつまみを食べながら飲むベアードビールは格別だった!・・と言いたいところだが、ハンドルキーパーの僕はお水で。
昼間からほろ酔いになったところで、このプランの幕は閉じた。
さて、参加者の2人にはどんな思い出になったのだろう?
参加者の方が、最後に「終わっちゃうねぇ。楽しかったぁ」と呟いたのを聞いて、「やってよかった」と素直にそう思った。
とにかく”やってみる”
民泊も規制されたし、宿でやるイベントも調べれば調べるほど、宿だけでやるには難しい仕様。
変化するものは、とにかく排除されるこの世の中。
果たして何をさせたいのか?
同じビジネスモデルの中で、お客さんを食い合えば良いのか?
あほか。
昔とは、旅行の形態も、旅先の調べ方も、食べるものも、生活リズムも、全て変わった。
- 若い人でも旅館に泊まるようになった
- 高齢者でも山に登ったり、海に潜ったりするようになった
- 旅先のグルメや観光地は、現地でスマホで調べるようになった
- ゲストハウスを好んで泊まる方が増えた
旅行者が変わっているのに、宿泊施設はそのままで良いのだろうか?
とりあえず考えたことはやってみる。やってみないと何も分からないから。
今回、参加してくれた嵩井さん、田中さん、サポートのスギちゃん、本当にありがとうございました。
次回も必ずやります。