【穴子の炊き方】穴子を柔らかく炊くには”酒で戻す”のが重要!

4月になり献立が変わりました。

はなぶさ旅館の献立は「月替わり献立」です。

毎月毎月、旬の食材を献立に組み込んでいます。

裏山の竹の子もニョキニョキ伸びてきているようで、従業員総出で竹の子の下処理をしています。

今年は、桜が長く咲いていて少し得した気分なのは僕だけじゃないはず。

気づくと桜の花の写真を撮っている・・そんな経験が皆さんあるのではないでしょうか。

日本料理の四月(卯月)の献立には、”桜”が多用されます。

  • 桜の花・葉
  • 桜の抜き型
  • 桜色
  • 桜の懐敷

などなど。

この時期の料理は、大げさではなく桜無しでは語れない。

当然はなぶさ旅館でも同様で、煮物は狭腰の桜葉巻きですし、あしらいの人参や大根は桜の型抜きで抜いたもの。

前菜には「桜葉寿司」を。お寿司を桜葉の塩漬けで巻いたものです。寿司と桜葉の塩加減が、絶妙にマッチして美味しい。

では、寿司ネタは?

はい、前置きが長くなりましたが、ようやくご登場です。そう「穴子」です。

旬は6月~8月の夏時期ですが、個人的に桜葉の塩漬けとの相性が抜群に良いと思っているので使っています。

今回は、穴子の炊き方についてのブログ。

穴子は、やっぱり柔らかく炊かないと意味がない。ですので、絶対に失敗しない炊き方をご紹介します。

何かのご参考になればと。

穴子は背開き?腹開き?

穴子は、胴が短く全長が長いので、普通の魚とは捌き方が異なる。

目打ちで頭を押さえて、中骨に沿って開き、同時にヒレなどを除いていく。

言葉にすると簡単ですが、実際にやってみると難しいと思います。

僕も若い時に、怒られながら結構練習しました。

でですね、穴子や鰻などは関東と関西で捌き方が異なります。

  • 関東は「背開き」
  • 関西は「腹開き」

理由としては、関東では腹を切る”切腹”は、縁起が悪いとされているから。

逆に、関西では”腹を割って話す”のが良いとされているから。

だそう。

静岡県にあるはなぶさ旅館では、背開きで開きます。

今年は、当館の若手板前にも捌き方を伝授。

技術は自分だけ持っていても仕方ない。伝えていかないと廃れていきますからね。

四苦八苦しながら捌いていました。

穴子を柔らかく炊く方法

穴子は、捌いたら皮目に熱湯をかけて滑りを取り、臭みを除いていく。

皮目に熱湯をかけると、ヌメヌメした部分が白く浮き上がるので、包丁でこそいで流水でしっかり流します。

それから、水に大量の酒と生姜を入れて、穴子の身を柔らかく戻す。

この「柔らかく戻す」のが重要で、酒の成分で身を柔らかくします。

穴子が柔らかくなるまでは、一切の調味料は入れません。酒・水・生姜のみ。

柔らかくなったら、後は煮魚を炊くように味を入れていきます。

大事なのは「両味で炊く」です。甘くもなく・しょっぱくもなく。

まぁ、これが難しいのですがね。

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今回は煮物のコツを書きます。あくまでもレシピではなく「コツ」です。 心得とでも言いましょうか。

穴子は少し”甘め”に仕上げる方が良いです。

しょっぱい穴子って食べた事ありませんよね?ですので、少しだけ甘めに。

詰めは小分けにして冷凍に

炊いた後に残った汁は、寿司にした穴子に塗ると美味。ですので捨てない様に。

ちなみに、穴子のゼラチン質だけで、煮汁は写真の様に固まります。

固まった煮汁は、そのまま小分けにして冷凍庫で保存するのがオススメ。

冷蔵庫だと、小まめに火を入れないと腐ってしまうので。

是非、桜の葉の塩漬けを買ってきて、穴子寿司を包んで召し上がってみてください!

本当にバランスが良く美味しいです。

「穴子桜葉寿司」は、はなぶさ旅館の4月の献立に入っています。

くれぐれも、桜の葉と一緒に食べてくださいね。中身だけで食べないでくださいね。

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