【3月 献立】自家製カラスミを巻いた”唐墨覆輪焼き”が手作りすぎる!

3月ももう半分も過ぎました。

河津桜が散り、ソメイヨシノが咲けばもう春の始まりです。

そして、ソメイヨシノが散れば平成も終わります。

今回は、弥生の献立内容をご紹介しておこうかと。

3月の前菜の献立に入っている「唐墨覆輪焼き」

この字面だけ見ても、果たして何なのか全く分からないと思いますので、詳細を。

簡単に言うと、カラスミが入った蒲鉾。

しかし、はなぶさ旅館のこだわりは半端じゃないです。

全部が手作り。

唐墨も自家製。蒲鉾も魚のすり身から。

仕込みにメッチャ時間がかかるのですが、お客様の口に入るのは一瞬。

もっと大事に大事に食べてもらおうと、仕込み過程を綴ります。

大事に大事に召し上がってください。・・・嘘です。気軽にパクッと食べてください。

全て手作り”唐墨覆輪焼き”

前菜にさりげなく盛られている「唐墨覆輪焼き」

あまりのさりげなさに、もはや何とも思わないかもしれません。しかし、自家製のカラスミが「これでもか!」と主張している逸品。

そして、カラスミだけでは無く、周りの蒲鉾部分も手作り。

口に入れた瞬間に

「あ、これは酒に合うやつや」

と思う事間違いなし。

では、ちょっとだけ仕込み風景をご紹介。

まずは、蒲鉾のシートを作ります。

のし板に、魚のすり身をのした後、蒸します。

そのまま焼き台にて焼いて、表面に焼き色を付けます。

これでシートは完成。

自家製のカラスミを、包丁で形を揃え、片栗粉をまぶします。

蒲鉾シートに、片栗粉をまぶし、魚のすり身を塗ります。

その上にカラスミを乗せ、更に魚のすり身を乗せる。

綺麗にクルクルと巻き、ラップで押さえます。

そのまま蒸して完成。

どうですか?

半端じゃ無く手がかかってますよね。

はい、自分でも思います。

でも、”美味しい”の為にはやはり、時間も手間もかかります。

はなぶさ旅館は手作りにこだわる!

最近は、”のし板を使って蒲鉾のシートを作る”なんて、手間のかかる仕事をする調理場は少なくなっていると聞きます。

半年くらい前に、当館に入社してきた40代の板前さんも、「今までこんなに手間を掛ける調理場で働いたことは無かったです」と。

昔より、既製品の質が上がってきましたからね。

人件費を減らして、値段の高い既製品を使う調理場が増えたということでしょう。

正直、既製品だけ使ってもそれなりの料理になります。それほどまでに、既製品の質は昔よりも上がっている。

否定はしません。

でも、多くの旅館が既製品に頼り始めてしまったら、どこでも同じ料理・同じ旅館になってしまう。

僕は、手作りの料理には、既製品には絶対に出せない美味しさが出ると思っています。

実際に、食べてみると分かります。

味もそうですが、温かみを感じるか感じないか。

そこには明確な差がある。

だから、はなぶさ旅館は出来るだけ手作りにこだわります。

たまに旅館のレビューで、

  • 「既製品ばかり使って・・」
  • 「仕出し弁当の朝食・・」

とか書かれたりしますけど、はなぶさ旅館の料理は基本的に手作りです。

申し訳ないですが、そのレビューを書いてる人が恥をかくのです。

  • 「何も分かってないですね・・・」って。
  • 「バカ舌ですね・・・」って。

職人は職人であるべき。

職人がサラリーマンになってしまったら、どんどんレベルは下がっていく。

常に向上心と探究心のある職人でありたいし、周りにもそうあってほしい。

さあ、既製品よ!かかって来いやー!

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