下ごしらえの重要性
「料理は下ごしらえが大事」
このブログでも料理の下処理の重要性については、何度も書いてきました。
板前の僕から言わせてもらえば、下処理が不完全な料理は絶対不味くなる。
例えば煮魚。
魚のカマや頭などを、醤油や砂糖で炊いた煮魚は美味しいですよね。
しかし、一歩下処理を誤ると生臭くて食べられません。
煮魚で重要なのは、「霜降り」という下処理。
血や鱗をしっかりと除いた後、熱湯をかけて臭みを取ります。その時に、しっかりと残った血や鱗を取る。
上記の工程が、煮魚では一番重要だと僕は考えています。
”霜降り”をしっかり施していないアラは、いくら腕の良い板前が調理しても美味しくはならない。絶対に。
それは、他のどの料理でも同様。
”お手軽レシピ”、”簡単料理”などという言葉が飛び交う昨今、お手軽の中にもしっかりと下処理は施されていると信じています。
今回は、今が旬「ホタルイカ」の下処理をご紹介。
ホタルイカも下処理が顕著に出る食材です。ご参考になればと。
口に残る蛍烏賊を僕はもう食べたくない
たまに居酒屋で、「蛍烏賊の酢味噌掛け」を注文してガッカリした経験はないだろうか。
食べてみると、口に何か残るホタルイカ。
残った口の中のホタルイカの異物を、ビールで流す後味の悪さ。
これは、下処理がしっかりとなされていないから起こります。
ホタルイカは、目とお尻と背骨に硬い部分があります。
お店によっては、
- 目は取り除くけど他は・・
- 目と口は取るけど・・
- 納品されたまま提供しますけど・・
など様々。
雑に下処理されたものが、口の中に残るのです。
さて夜は宴会ご予約!先ずは先ずは蛍烏賊の掃除から目、口、背骨取り除きます(^^)
口当たり全然違うからね〜♪#蛍烏賊 #大平山荘 pic.twitter.com/bbsWh6yI0u— すっぽんイチ押し宿大平山荘若旦那邊見裕作 (@ohnarusanso) 2019年4月5日
友人の板前さんは、しっかりと仕事してますね。さすがです。
さて、口に残るホタルイカをもう食べたくないので、今回は板前が普段やる”蛍烏賊の下処理”をお教えします。
ホタルイカの下処理
ホタルイカの硬い部分は、骨抜きによって取っていきます。
【目の処理】
目は潰してしまうと弾けてしまい、洋服などが汚れる恐れがあるので、目の根元から取ります。
【口の処理】
裏返して口をつまみ、引っ張ります。足を一緒に撮ってしまわないように注意。
【背骨の処理】
背骨は、ホタルイカを裏返すとエンペラ(イカの頭)に筋があるので、筋の下の部分から引っ張り出す。
すると、背骨が写真のようにスルスルっと出てきます。
上記の下処理を施して、ようやく「美味しい蛍烏賊」となるのです。
下処理をしっかりやれば、全く口に残らず、違和感も無くなります。
ちなみにホタルイカの一番美味しい産地は、ぶっちぎりで「富山湾内産」です。
味の濃さ・大きさ・味噌の多さ が全然違います。
「今までの蛍烏賊は何だったのか・・」と思う事間違いありません。
まぁ、値段も全然違いますが。笑
はなぶさ旅館のホタルイカは、「富山湾内産」にこだわっています。
ようやく富山湾内産の #ホタルイカ が入りました。というか、ようやく仕入れられる値段に落ち着きました。#はなぶさ旅館 は湾内産にこだわっています。マジで全然モノが違いますので。
頭はパンパンに張り 味噌が溢れんばかり。そして味が濃厚。
これから丁寧に下処理を。背骨まで綺麗に除きます! pic.twitter.com/ZDQRYFQcyF— 「はな」陶芸の宿はなぶさ三代目 花房光宏 (@hanabusamitsu) 2019年3月24日
ようやく値段が落ち着いてきたので、仕入れが安定してきました。
はなぶさ旅館では、今月いっぱいまでホタルイカを献立に入れる予定です!
是非、口に全く残らない、違和感のないホタルイカをご賞味ください。
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