7月の初旬に販売した「鮎の干物」
おかげさまで全80セット完売しました。
購入してくださった皆様、本当にありがとうございました。
販売するに当たり、新たな試みをしてみましたが反省点も多々。反省は次回に繋げます。
今回のブログは、鮎の販売について。初めての試み「ECサイト」の良い点・悪い点など。備忘録的なブログです。
*ご購入者様の声は次回のブログにて。
鮎の干物販売とは
伊豆長岡に流れる”狩野川”は、鮎の名産地。
「そんな鮎を是非ご家庭でも!」と思い、今回干物販売をやってみた。
僕の場合は、個人と会社のSNS・ブログのみで販売を告知。
広告などの販売促進は一切なし。
今の時代、モノを売ることはそんなにハードルが高くない。むしろ低い。
”メルカリ”や”BASE”を覗いてみると良い。一般の人が、「これでもか」ってくらいモノを販売している。
- 購入してきたものを売る
- 使わなくなったものを売る
- 自分でモノを作って売る
もう、何でもアリ。
メルカリで”大学の出席カード”が販売されているのを見て、今の大学生の商魂たくましさに感動した。
そのぐらい、モノを売るフォーマットは世に溢れている。モノを作り出せる”クリエーター”じゃなくても、モノを販売できる。
そして、「板前は”クリエーター”である」 僕の個人的な見解であるが。
モノを生み出せる板前は、やはりクリエーターだと思う。
クリエータなのだから、生み出したものを販売するのは至極当然のこと。
旅館の中で料理を作っていると、どこか「販売する」という意識が欠けてくる。
何故なら相手の顔が見えづらいから。
お客さんの反応は、伝え聞いたものやレビューのみ。仕事は、”いつもの仕事”・”いつもの日常”になりがちだ。
お客様の”特別な日”を迎える立場であるのに。
従業員の人たちの心に、もう一度大切な”思い”を棲まわせたいと思っての企画でもある。
だから、今回は多くの従業員を巻き込みながら販売した。
販促費ゼロで鮎の干物80セット完売
正直、1セット8枚の干物を80セット販売することは容易ではなかった。
640枚の鮎を
- 水洗いして
- 内臓を掃除して
- 開いて
- 干して
- 真空パックに詰めて
- 内容シールを用意して貼り
- 梱包して
- 発送する
想像しただけでも大変だ。
まず、640枚の鮎を干物にするのが大変である。加えて、以前販売した”ぺペロンおにぎりの素”も、再販のご要望にお応えして販売することにしたのだ。
調理場、女中さん、フロント、ウェブ担当が、分担して作業を行った。
久しぶりに、「チーム」としてゴールに向かえた気がした。
普段は、それぞれのポジションがそれぞれのポジションで仕事をしている”チーム”なので、従業員の方達にも良い刺激になったのではないかと。
「自分たちでも売れる」と。
そしてもちろん、「売れる」という事を前提として話を進めた。
- 自分のファンがどれだけいるか?
- 自分のつながりで、どれだけモノが売れるか?
僕の日頃の発信への、通知表みたいなものだ。
「1セット3400円を80セット」
今の僕の最大値かな。
発信を始めて1年と少し。
「1年で80セットも売れるようになったのか」「1年で80セットしか売れないのか」
答えは分からないが、行動するだけ。
「決断より行動」
やってみないと、何も分からない。とにかく売ってみる。
さて、結果は?
80セット完売。
ぺペロンおにぎりの素も、20セット完売。
ご購入いただいた皆様、本当にありがとうございました。そして、日頃から発信を見ていただいている皆様、ありがとうございます。
ウェブで販売して毎回思う事は、「心からの感謝」です。出来るのかな?という不安を、いつも吹き飛ばしてくれる。
「食べたよー」という投稿が、嬉しくて嬉しくて。
毎回「やってよかった!」と。そう思わせてくれて、ありがとうございます。
*ご購入者様の声は次回のブログにて
ECサイト販売の良い点・悪い点
今回の販売で、新しい試みをしてみた。
それは「ECサイトを使った販売」
SNSでモノを販売すると、注文の集計や、購入者さんとのやり取りに追われる。まぁそれも楽しいのだが、毎回同じスタイルではなく、新しいことを取り入れながらブラッシュアップしたいので挑戦を。
ちなみにはなぶさ旅館には、以前からYahoo ShoppingのECサイトがある。はなぶさ旅館ECサイトでは、”温泉まんじゅう”や”釘煮”などを販売している。
旅館のECサイト内の充実・ECサイトの周知も、今回の販売の狙いでもある。
「おまんじゅうってネット販売していないの?」
そう聞かれることも多々。はなぶさ旅館ECサイトの、周知の低さを以前知った。
【ECサイトの良い点】
- 販売がスムーズ
- 在庫管理が簡単
- 面識がない人も購入できる
- お客様の支払いが楽
- 自動的にリスト化してくれるので、書き出しも簡単
- 何度も連絡をしなくても良い
など。
「誰が、何を、いくつ買って、いつまでに、どこに届ける」
これを自動的にまとめてくれるのが、最大の利点。
リスト化もしてくれるし、書き出しも簡単。今回は間に合わなかったが、配送表渡せば伝票まで自動的に出来上がる。
マジで神だ。
SNSで注文を受け付けていた時は、見逃さないように随時SNSをチェックし、予約が入ればすぐにExcelに打ち込むという作業が必要だった。
が、ECサイトを使えば、その作業もなし。他の仕事に没頭できる。
在庫管理も、設定数以上には注文が入らないようになっているので、過剰注文の心配もない。
注文をいただいてから、「お送り先のご住所と配送指定の時間」を、改めて伺う手間もなし。
支払いも、「カード払い」「コンビニ払い」「銀行振り込み」など選べるので、お客さんの手間も無し。SNSで販売すると、振込しか方法がないので、お客さんにとっては振り込みに行くという手間がかかる。
また、SNS上で販売すると、「僕を知っている」もしくは「僕とSNSでやりとりしたことがある」という事が購入の前提となる。つまり、知らない人は買えない・買いづらいシステムなのだ。ECサイトだと、その心配もなく手軽に購入ができる。
書き出してみると、良い点ばかりに思うが、もちろん悪い点もある。
【ECサイトの悪い点】
- 項目の多さ故、間違いが起こりやすい
- 慣れが必要
- 自分で把握できる情報の限界
- 支払い方法の複雑さ
- ECサイトでの購入が出来ない人もいる
など。
とにかく、ECサイトに慣れていないので、見るべき項目が分からなく混乱した。
何日到着指定の注文なのか、着払いなのか元払いなのか、ギフト包装なのか、領収書が必要なのか・・などなど。見落としまくりました。着払いを元払いで送ってしまったり、指定日に届かなかったり、領収書入れ忘れたり。
ご迷惑をおかけした皆様、本当にすみませんでした。反省は次回に活かします。
基本的には、すべての注文内容・項目を自分では把握できないので、上記のようなミスが起こる。これは、僕を含めスタッフの慣れが必要かと。
また、支払い方法が分かりづらいようで、「振込を確認してから発送する」という手筈を、届いてから振込するのだと勘違いする方が続出。支払い方法も、分かりやすくするのも課題。
あと、やってみて初めて分かったのだが、ECサイトの買い方が分からないという方もいた。普段、Amazonなどで買い物をしない方には、ハードルが高いのかもしれない。
ん~、そこは慣れてもらうしかないかな。ネットショッピングは、これからの時代には必要なスキルなので。
良い面も悪い面もあるECサイトだが、個人的には次回以降の販売もECサイトで行おうと考えている。
やはり、圧倒的な手間の削減があるという部分と、これからの時代に必要だから。
僕も従業員も、慣れるまでは不手際があるかと思いますが、暖かい目で見ていただけるとありがたいです。
旅館の視野を広げる
前述したが、旅館内で働いていると「販売する」という意識が低くなる。
一部の人間を除き、販売に関しては自分の仕事と切り離して考えてしまう。
- 宿泊を売る
- 売店の商品を売る
- 体験を売る
旅館を維持していくためには、確実に必要な事だ。
今回の販売を通じ、従業員さんに少しでも”販売する”事を身近に感じてもらえれば嬉しい。
そして視野を広げてほしい。
旅館は旅館内で”販売する”事を考えすぎる。今は、外に向けてすぐにモノを販売できる時代。
外の世界から見れば、旅館は魅力の宝庫だと思う。
届けられるものは届けよう。
もしかしたら、旅館にある売店はもはや不要で、全て発送という形を取ったって良いのかもしれない。
今だから出来るサービスを。
もっと大きな目で。もっと広い視点で。
僕は僕のやり方で、これからもはなぶさ旅館の魅力・味を全国へ届ける。