「黄身酢に林檎を入れると美味しい」というのはご存知?



料理人になって10年。

高校生の時は調理場でアルバイト、大学時代は飲食店のキッチンでアルバイトを。

バイト時代も含めれば、”飲食”という仕事に携わって約20年。

人生の大部分を「食」に捧げてきた と自負しています。

そんな僕は、どこかで料理を食べる際に必ず考える事があります。

「この料理は自分で再現できるか?」

基本的に、料理には”純粋なオリジナル”なんてものはほぼ無い と思っている僕。

どこかで食べたあの料理を、「美味しかったなぁ」とか「参考にしてみようかなぁ」で自分の料理に取り入れ、結果それが自分の”オリジナル”になっている。

パクった事を良いように書いていますがね。でも、本当にそんなもんじゃないかな?

自分を高める為に、料理人は色々な所で料理を食べる事が大切なんだ! と、若い頃先輩から言われました。

だから、こんな体をしているのです。

僕のせいではありません。

好きでデブやってる訳ではありません。

今回は、先日京都へ行った際に、「おっ!これは!」という料理に出会ったので再現しました というお話です。

京都の祇園にある料理屋「匠 奥村」 フレンチと和食を融合させたお店で、非常に楽しめるお店です。とても勉強になったのでご紹介。 京都へ行った際には是非。

”黄身酢に林檎を入れる”

完全に目から鱗でした。

実際に目から鱗が落ちてきました。嘘じゃありません。

では、本題へいきます。

京都 烏丸御池の和食屋「福松」

京都通の友人から、「人には教えたくないお店」という枕詞を付けて、お店を紹介してもらいました。

烏丸御池にある和食屋「福松

友人が「人に教えたくない」と言っていたのに、ブログに載せるとは何事だ!と怒られそうですが、一応投稿して良いかの確認は取ってありますので悪しからず。

一汁三菜から始まるおばんざい屋さんで、カウンターのみの店を板前さん2人で回しているお店。

結果から言うと、マジで人に教えたくないほどの良いお店でした。

「一汁三菜から始まる」ので、軽めの汁と肴が出てくるのかと思ったら、ガッツリの一汁三菜。

もはや、これだけで帰っても良いくらいの満足度。

そして、前菜のどれを取ってもしっかりと仕事が施されている。

職人魂を感じる料理でした。

・・・と、この福松さんに関してのブログはまた書くとして、今回のメインテーマ「黄身酢に林檎を入れると美味しい」は、正にこの一汁三菜の中の一品から。

最後に出てきた八寸の中に、「塩もみキャベツと蒸し鶏の黄身酢りんご掛け」という料理がありました。

「黄身酢の中に林檎を入れて・・」と説明してくれたので、「へぇ~」なんて軽く口の中へ放り込んだらビックラこきました。

やはり、”感動”は自分の想像を超えた時に起きるものなのだ と再認識。

黄身酢は和食の世界ではよく作る調味料。

「いつも同じ味付けになってしまう」。そう悩む方は少なくない。 少しの変化で食卓は華やかになる。いつものおかずがプロの味に変わる。 簡単に上級者風を演出できるアイテム「黄身酢」。覚えてみてはいかが?

単純に「林檎を入れる」だけで、これほどまでに感動できるのか。

素敵なお店です、福松さん。

弥生の献立に「菜花の林檎黄身酢掛け」

ここまで読んでいただけた方は、薄々どころか濃々で感じてらっしゃると思います。

はい、そうです。

はなぶさ旅館でも、林檎を入れた黄身酢を取り入れました。

「菜花の林檎黄身酢掛け」

前菜の一品です。

旬の菜花に、林檎の黄身酢を掛けました。

僕のオリジナル料理です、はい。

はなぶさ旅館にお越しのお客様は、オリジナルの「りんご黄身酢」をお楽しみくださいませ。

クレームは受け付けておりません。

料理で会話する

先日、Twitterで黄身酢についてのツイートをしました。

今回書いた事を、ギュッと140文字に詰め込んだ内容。

39日の221にツイートしました。ここ大事なので覚えておいてくださいね。

で、コチラ。

兵庫県の西宮のイタリアン「ディアモクチーナ」のシェフ・金子シェフが、黄身酢を再現してくれたのです。

が、一つ気になる事が。

金子シェフのツイート時間が、2224なんです。

僕のツイートから僅か23分後には、作った状況を撮影してツイートしているんです。

早すぎるでしょ!

  • ツイート見て
  • ブログ読んで
  • 卵割って
  • 調味料入れて
  • 鍋のお湯を火にかけて
  • ボウルで黄身酢を作って
  • 撮影して
  • Twitterに投稿する

・・・嘘でしょ。23分でこれ全部やるの不可能じゃない?

驚くべき行動力。

気になったら、再現せずにはいられない。

プロ中のプロですね。

そして、色々と試作してくれたようです。

音楽家が音で会話するように、「料理人は料理で会話する」・・というのはカッコつけすぎか。

でも、和食の黄身酢をどう洋風に使うのか?

個人的にメチャメチャ興味があります。

料理人との会話は楽しいです、本当に。

いつか、「料理人サミット」したいです。

  • これが美味しいとか
  • このレシピが応用できるとか
  • ワインとの相性とか
  • これをコラボに売ってみようとか

最終的に、それぞれのビジネスに広げられたら最高ですよね。

料理人の皆さん、やりませんか?

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